読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ウェイに逢うてはウェイを斬り、オタクに逢うてはオタクを斬る。

世に従えば身苦し。従わねば狂せるに似たり。

元ゴジラ大好き少年のシン・ゴジラ感想

※ネタバレありです

 f:id:Onigiri-IT:20160813175047j:image

映画としては面白かった。クオリティは高かった。

 

だが……あれは俺の好きなゴジラではない!!!

 

ゴジラ大好き少年でゴジラと共に育ってきた人間としては、あれを真のゴジラ映画だと思われては困る。

 

というわけで結構文句を言いつつ、やはり面白くはあり、シンゴジラの感想というか俺の好きなゴジラをしつこく語る悪いオタクになりながら、何とも消化しきれない思いを書いていく。

 

1.やっぱり怪獣バトルが見たかった

怪獣はゴジラのみ・人間の力で倒すという展開、実はあれ王道展開に見えて王道ではないのです。このパターンのゴジラ映画はシンゴジラ以外には初代と84年版しかなく、これらはシリーズの節目にあるために目立っているものの、膨大なゴジラ作品の中ではたった3作品だけの少数派。シリーズファンからすると、やっぱりゴジラ映画=怪獣バトルだろという思いはある。ファイナルウォーズに出られず最後に戦ってから15年近く経ってるキングギドラとの対決が最新作で……とか思ってた時期もあった。

自衛隊もかっこよかったけど、そこに力を入れられるならもう一体怪獣を作れただろと。何よりゴジラの倒し方がショボすぎ。人間なりに頑張ってる感を出そうとしてたんだろうけど映像として見栄えがよくない。電車爆弾はまあ良し。

 

2.ゴジラは災害じゃない「怪獣王」だ

ちょっと今回のゴジラはヘイトを集めすぎてる。ゴジラが街を破壊したり人々が逃げ惑うのは過程であって目的でないと自分は思ってるので、ゴジラを災害みたいに扱うやり方は好みに合わない。ゴジラ=人間の業パターン(初代や白目)も、縄張りを荒らされて出てくるパターン(ほとんどこれ)も、人前に出てくるときは何となくゴジラなりの目的を感じさせるように出てきたのと比べると新しい方法ではあるが。

世界的人気キャラ「怪獣王」に敬意を払ってかなりゴジラを持ち上げていたハリウッド版ゴジラ(当然二作目の方)に対して、理不尽な災害の化身として敢えてゴジラを貶めて描いても文句を言われないのは本家日本くらいだろうけど、東日本大震災をネタにして日本にしか作れないゴジラ映画と称するのはちょっとズルい。ハリウッド版ゴジラやパシフィックリムに対抗できる激アツ熱線シーンがあっただけに、災害パニック映画風味じゃなくガチ怪獣映画にして欲しかったという思いはある。あとクローバーフィールドに変な影響受けなくていい。でもゴジラが暴れたことによる被害総額は……とか大真面目にやってるのは空想科学読本みたいで面白かった。

 

3.ただの人間には興味ありません

社会風刺に時間を割きすぎ、人が話してるシーンが多すぎ、もっとひたすらゴジラを見せてくれ。ゴジラ映画の主役はゴジラであって人間じゃないんだよ!!!

人類の英知の炎使うかという件で、ゴジラより人間のほうが怖いみたいなセリフがあったときは流石にオイオイとなった。そもそも放射能撒いたりしてる時点で核でゴジラが倒せるわけないことくらい薄々分かってくれ。確か芹沢博士(初代も渡辺謙も)は気がついてたぞ。

しかし脇役でしかない人間達も今回はかなりキャラが立ってて話としては面白かったからあまり批判できない。ゴジラ映画として最も文句を言いたい部分なのに面白いせいであまり文句が言えないジレンマ。

 

4.ゴジラが意外とかわいい

 シンゴジラで「ゴジラ映画として」評価できたのはゴジラのデザイン。最初は初代を過剰にキモくした感じに見えて微妙だったけど、いざ見てみるとギョロ目やガタガタの歯並びはそれほど悪目立ちせず貫禄あるゴジラらしいシルエットでいつも通りかっこいい。背中のヒレや尻尾から熱線を出すのもありそうでなかったし、バーニングゴジラっぽいと思った体の光る部分は炎というより放射能の光って感じであれもまた良し。

何より首都圏を一撃で壊滅させる最強の熱線シーンは最高だった。今までの熱線で一番かっこいいかもしれない。壊れて暗くなった街で光る姿の神々しさ……やはりゴジラはこうでなくては……。でもエネルギー切れて止まりそうだなと思ったらやっぱり止まる。ここまで万能兵器って感じだったゴジラの生き物らしいところが出てきてこれも良い。(その後ほとんどまともに動かず映画が終わったのは展開として問題だが)

アンギラスのパチモンかと思った最初の姿も、昔の恐竜のおもちゃのような姿とぬいぐるみのような動きで味がある。初代のゴリラっぽさと平成の爬虫類っぽさに加えてサラマンダーやサンショウウオ的な変態やエラのような両生類要素を入れたのもナイスな発想。あれでは子供がゴジラグッズを欲しがらないと思ってたけど、案外人気が出るかもしれない。

 

5.総評 まあ、まあ良し!

俺好みのゴジラ映画ではなかったが、まあたまにはこういう路線も面白い。

最後に自分のゴジラ遍歴を語っておくと、「ゴジラvsシリーズ」と「ミレニアムシリーズ」は全て見ていて昭和のゴジラは初代と84年版含め数作見た程度でハリウッド版は二作とも視聴済み。ハリウッド版二作目以外はどれも小学生時代に観たもの。最高傑作は「ゴジラvsデストロイア」。

そんな自分にとっての王道展開とは、ゴジラと他の怪獣の対決、人間は他の怪獣を利用しつつ黙って見てるか超すごいメカで対抗の両極端、ラストは敵怪獣を倒したゴジラが海に帰っていくか敗れたゴジラが海に沈むかどちらにせよ海に帰る。ゴジラは人間の敵でも味方でもなく、人間の業でありながら地球生物の代表的な中立の立場。といった感じのもの。やはりシンゴジラは異端であり、外伝として良かったという評価になってしまう。

 

シンゴジラで初めてゴジラ映画を知った諸君は絶賛するのはいいがもっとバラゴンのような何とも言えない顔で面白かったと言え。シンゴジラを手放しに褒めてしまうと、王道ゴジラ展開が誤解されたまま新しいゴジラシリーズが始まってしまうかもしれない。

f:id:Onigiri-IT:20160815160222j:image 

そして東宝よ、今回は面白かったが、もしシンゴジラのノリで続編を作るなら……俺はハリウッド版ゴジラの方を正当な後継者とみなす。次は怪獣バトルを作ってくれ!!!

f:id:Onigiri-IT:20160815160227j:image