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小島秀夫と伊藤計劃

ゲーム

伊藤計劃「ハーモニー」を観ました。

 

屍者の帝国」は劇場で観たけど、正直かなり微妙だったので「ハーモニー」はそのうちレンタルかなんかでいいやと思って一旦置いてたもの。

 

感想は、メッセージ性は強くてある意味わかりやすいけど映像としてはつまらない。主人公役の沢城みゆきの声をひたすら聞いてたような感じ。

 

煙草や酒のような不健康なものが全部規制されてる世界の話なので、そういう雰囲気に合わせて刺激の少ない映像にして一部のショッキングなシーンを強調したかったのか、あるいは単にアニメ化に向いてない話だったのかもしれない。

 

伊藤計劃作品は硬派なSFファンや文芸的な人間が色々と考えるためのもので、自分のようなゲームファン・アニメファンが喜ぶ類のものじゃない気がしてきた。

 

小島秀夫とその大ファンの伊藤計劃が似たようなメッセージ性を持って話を作ってることは確認できたけど、その伝え方が全然違う。

 

小島秀夫伊藤計劃の違いというか、ゲームと小説・映画の違いというか。

 

メタルギアはストーリー重視のゲームと思われがちだけど、あくまで「敵に見つからないよう潜入する」という遊びを最も重視していて、かっこいいだけのセリフやギャグ要素もかなり強くて、それでプレイヤーを楽しませてから最後の方で小島秀夫メッセージが炸裂する。

 

敵に見つからないよう神経使ってきたところに、遺伝子がとか文化がとか言われると、さっきまでダンボール被ってた人が偉そうに言っててもすんなり頭に入ってしまう。

 

面白い遊びで釣って程よく疲れさせてから思想を植え付けてるわけだから、メタルギア小島秀夫の新興宗教とか揶揄されるのはある意味正しい。

 

プレイヤーが小島秀夫メッセージをキャッチしきれなくても、セリフやネタの一つでも覚えてもらえれば儲けもの。

 

メタルギアが無個性なTPSで小島秀夫メッセージだけがウリのゲームだったら、一部のSFファンにはウケでも世界中のゲーマーにウケることはなかった。

 

伊藤計劃はメッセージをそのまま投げてくるから、モノは小島秀夫と似たようなものでも高校の課題で読んだ古典SF小説みたいな堅苦しさをしてしまう。原作小説にはもっとギャグ要素とかあったのかもしれないけど。

 

とはいえ良くも悪くも評価の対象になりやすいのは娯楽性より物語で、MGSVのストーリーが説明不足だと分かった瞬間に国内のレビューが荒れたりしたのを思い出すと、堅苦しいというより堅実と言い換えたほうが良いかもしれない。

 

そういえば、ゲーム批評冊子を作ろうと思ったらゲームのストーリー批評冊子になってしまったりして、やっぱり物語を語れる人は多くても娯楽的な面白さを語ることは難しいなと思ったこともありました。